
不動産登記を行う際に、登記識別情報(権利証)を紛失してしまった場合、「事前通知制度」という仕組みを使うことで登記を進めることができます。
このページでは、司法書士が
- 事前通知制度とは何か?
- 手続きの流れ
- 注意すべきポイント
- 費用・期間の目安
を分かりやすく解説します。
事前通知制度とは?
不動産の登記申請では、登記識別情報(権利証)を提出することで、登記名義人本人であることを証明します。
しかし、権利証をなくしてしまった場合など、これを提出できないときに本人確認を行う方法として「事前通知制度」が用意されています(不動産登記法第23条)。
法務局が申請内容を確認し、「この登記で間違いありませんか?」という通知を本人に送付し、本人からの返信をもって本人確認を行う――これが事前通知制度の基本的な仕組みです。
どんなときに利用するの?
事前通知制度が使われるのは、次のようなケースです。
- 抵当権抹消や名義変更などの登記で、登記識別情報を紛失している
- 登記義務者(売主・金融機関など)の印鑑証明書を添付して申請する場合
- 司法書士や公証人による本人確認情報の提供を行わない場合
「抵当権抹消手続きの流れ」は、▶抵当権抹消手続きは3ステップ! 必要書類や申請書の書き方について司法書士が解説 ページで詳しく解説しています。
事前通知制度の手続きの流れ

事前通知制度を利用する場合、手続きは次のように進みます。
1.登記申請書を提出
登記識別情報を提供できない旨を記載し、法務局に申請します。
2.法務局から事前通知書が届く
申請後、法務局から登記名義人宛てに「本人限定受取郵便」で事前通知書が送られます。
ご本人以外は受け取れません(代理受取や転送不可)。
3.通知書に署名・押印して返送
通知書に署名し、申請書や委任状と同じ印鑑で押印して返送します。
申出期間は原則として2週間以内(海外居住者は4週間以内)です。
4.法務局で確認・登記完了
返送書類が期限内に届き、内容に問題がなければ登記が完了します。
注意すべきポイント
事前通知制度は便利な制度ですが、小さなミスで「登記が完了しない」トラブルも起こりやすい手続きです。
| 注意点 | よくあるトラブル例 |
|---|---|
| 登録住所と現住所が異なる | 通知が届かず、期限切れになる |
| 印鑑が違う | 委任状の印鑑と異なる印で押印し、照合不一致で無効に |
| 署名忘れ | 署名がないまま返送 → 登記不可 |
| 郵送遅延 | 2週間以内に届かず、登記をやり直す羽目に |
【ワンポイントアドバイス】
期限を過ぎた場合、再申請が必要になります。
決済を控えている場合などは、特に余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
費用と期間の目安
| 費用 | 無料(郵送料・印紙代などの実費のみ) |
| 登記完了までの期間 | 約2〜3週間(郵送期間含む) |
| 司法書士依頼時の費用 | 1件あたり数千円〜1万円程度(登記の種類により異なる) |
「抵当権抹消の費用」は、は、▶抵当権抹消手続きは3ステップ! 必要書類や申請書の書き方について司法書士が解説 ページで詳しく解説しています。
司法書士に依頼したほうが良いケース
- 登記申請期限が迫っている(事前通知期間に間に合わない可能性)
- 名義人が高齢、または住所変更が多い方
- 書類や印鑑の取り扱いに不安がある場合
- 売買や相続など、複数の登記をまとめて行う場合
司法書士が代理申請する場合は、「本人確認情報制度」を利用することで、事前通知を省略して登記を進めることもできます。
よくある質問(FAQ)
法務局に確認し、再申請が必要になるケースもあります。
事前通知制度のまとめ

登記識別情報を紛失しても、事前通知制度を利用すれば登記は可能です。
重要なのは通知書の受け取りや署名、返送を期限内に行うこと。決済を伴う場合は、司法書士に相談するのが安全でしょう。
登記や名義変更に関してお困りの際は、お気軽に明星司法書士事務所まで ▶ご相談 ください。



